研究内容
合成生物学による新たな抗生物質の創出
研究内容
β-ラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、アミノサイクリトール系抗生物質、グリコペプチド系抗生物質など、主要な抗生物質の生合成遺伝子クラスターが決定され、その生合成機構の解明が進んでいます。また、生合成マシナリーの人為的改変を基盤とする合成生物学の手法により、新たな抗生物質を高効率で生産させる手法の開発が進められています。当研究室では、世界に先駆けてアミノサイクリトール抗生物質の生合成遺伝子を報告するなど、マクロライド系抗生物質、マクロラクタム抗生物質、ピラノナフトキノン系抗生物質、ペプチド抗生物質の生合成酵素の機能解析を進めてきました。現在は、これら抗生物質の生合成に関わる酵素について、基質認識機構、反応機構、酵素構造など、あらゆる角度からの情報の集積を進めています。さらに、その知見を活用して、生合成マシナリーを活用した新たな抗生物質の創出に挑戦しています。例えば、生合成前駆体を誤認識させることで新たなマクロラクタムの創出に成功しています。また、基質特異性の異なるホモログ酵素に取り換えることにより、新たなマクロライドの創出に成功しています。
キーワード
合成生物学、生合成改変、酵素改変
習得できる技術
大腸菌と放線菌を用いた遺伝子組換え、代謝産物の抽出と精製、タンパク質精製、タンパク質構造解析、有機合成、天然物の構造解析
代表的な論文
ChemBioChem 2024, 25, e202400383.
ChemBioChem 2023, 24, e202200670.
ACS Chem. Biol. 2021, 16, 539–547.
J. Antibiot. 2020 , 73, 794–797.