研究内容
未踏のラジカルケミストリーの開拓
ラジカル酵素は、高反応性のラジカル種を発生させることで多彩な化学変換を達成することができます。一方で、酸素に非常に不安定な活性種を利用するために、反応解析の難易度が一般的な酵素反応と比べて高く、多く研究者の挑戦を退けてきました。我々のグループでは、酸素を除いた実験環境を整備して、アクティブなラジカル酵素の調製法を独自に確立することで、その精密機能解析を実現してきました。特に、天然物の構造多様化に寄与するラジカル反応に注目し、天然物生合成に眠るラジカルケミストリーを開拓すべく研究を進めています。さらに、酵素がラジカル種を制御するメカニズムの解明をきっかけとして、ラジカル酵素の機能改変•応用へと展開し、新しい分子の創製を目指しています。
キーワード
ラジカル反応、ラジカルSAM酵素
習得できる技術
反応機構解析、嫌気酵素の調製
代表的な論文
Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 237-241.
Biochemistry 2021, 60, 2865-2874.
Biochemistry 2018, 57, 4963-4966.